湯遊茶々 弐

申し込むだけ申し込んでほったらかしでした……。

父は言った。

「お前は器量が良くないから、せめて仕事くらいはちゃんとして、自分の食い扶持くらいは稼げるようになるんだよ」

ディティールは覚えていないし、そもそもいつ聞いたかも記憶があいまいです。
けれどこの言葉は呪詛になりました。

だから、というわけではないのですが、自分の器量はもう悪いものと決め込んで身なりにつきましてはとんとかまわず幾星霜、時々思い出したように身なりを整えなくちゃモードになったりもするんですが、たいていはすぐに挫折してしまいます。

で。

プラダを着た悪魔を見ました。

上司が褒めてくれないの、と嘆くアマンダに、
「結果だしてねえんだから当然じゃん」
と、思ってしまった自分はワーカホリックでしょうか。

どんなに残業しても、どんなに休日出勤しても、それは自分の仕事が遅いからであって、行為が評価に繋がるとは微塵も思っておりません。
さらに言えば私はまだ結果を出していないので、まあ全然ダメなわけですよう。

さて、アマンダには悪魔呼ばわりしているミランダですが、まあ確かに無理は言ってますが彼女は結果を出しているので、ビジネスの場においての価値って結局そこへ行き着いちゃうんだよなあと。

登場人物の着ている服が毎回違うオサレ映画でございましたとさ。

結末についてはネタバレになっちゃいますので書きませんが、最後の最後のアマンダの選択は彼女の中のポリシーによるもので、そうした芯になるものが無いと局面に立たされた時に道を見失うなあ、と、思いました。

おもしろかったです。
メリル・ストリープはステキかっこいい。
しおれている姿も。