- 作者: 海堂尊
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/06/29
- メディア: 文庫
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ここで心音確認ができなければ……という状況です。
落ち着きません。
なので本を読みました。
小説ですが。
海堂先生は、チーム・バチスタの栄光、ナイチンゲールの沈黙、ジェネラル・ルージュの凱旋あたりは産休中に読んでました。(ようするに文庫化された作品しか読んでない;)
いわゆる桜宮サーガではないのかと思いましたが、キャラクターについてはしっかり組み込まれていたようで。(まあ、そのあたり知らなくても楽しめますが。極北クレイマー読んでないし)
すごく読みやすいのです。
キャラクター性が強いと言うか、ヒロインの胸のすくようなキップのよいセリフですかっとしました。
ヒロインは大学病院勤務をしつつ、個人病院でも診療を行っている不妊治療が専門の産婦人科医。
閉院間近の病院での、最後の妊婦五人を巡る、周産期医療にまつわる諸問題や、不妊治療、体外受精、代理母などをとりあつかった小説です。
代理母の下りについては一種ミステリのようでもありました。
受精
着床
出産の経過の中で、かならずしも正常に成長し得ない事もあるのだという事。
出産そのものが大きなリスクと引き換えである事を思い返し、娘が無事産まれてくれた事に感謝しつつ、今、しなくてはいけない覚悟というか、もう一度確認しました。
少子化対策とうたいつつ、子供を必要としている人達への保障が無い現状についての問題や、地方の医療体制が崩壊した事による、周産期医療が直面している問題点などがずばずば出てきます。
「要求ばかり高度になるけど、感謝が抜け落ちているから、現場を支える人たちがどんどん潰れていくんです」
というセリフがやけに響いたのでメモしておきます。