湯遊茶々 弐

申し込むだけ申し込んでほったらかしでした……。

マイレージ、マイライフ

リストラ宣告のプロとして全米中を飛び回る主人公に扮し、人気男優G・クルーニーが味のある演技を披露。アカデミー賞で6個のノミネートを受けるなど高い評価を得た秀作!

Yahoo!より。

マイレージでポイントを貯める事に意欲を燃やす、アメリカ全土をリストラの為に出張で飛びまくる主人公、オンラインでリストラ面接をする事になったから出張が無くなるという事になり、猛烈に抗議をするという話。

G・クルーニー演じるリストラ請負人の仕事っぷりがすごくスマートで惚れ惚れします。

解雇予告についてもきちんと一人ひとりに向き合っている様子がわかって、単に出張にかこつけてマイレージを溜めまくってるだけでは無いな、というのが何となくわかる作り。

オンライン面接を推奨する若手女子社員を連れて、実地の面接に行きますが、通り一遍の上辺だけな説得に逆上しそうになる従業員をうまいことなだめたりもします。

希望を持たせて訴訟を避けるのが目的、という女子社員に「ショックを和らげるため」と、答える主人公。

リストラ勧告をされて取り乱す従業員が沢山出てきます。
自分はどうだったかなあ、ひどく取り乱していなかったかなあとか思ったりしました。

でも、解雇予告されても、3ヶ月分の給与保障と、半年分の健康保険、転職斡旋サービスとか、何だかんだとアフターケアはちゃんとしてるなあとも。(となりの芝生だとは思いますが)

胞状奇胎の治療やつわりで有給ほとんど残っていなくてギリギリまで出勤していた自分を振り返るといいなあ、とか思ってしまいました。
(まあ映画の話ですから)


さて、以下はネタバレになりますが、
女子社員が解雇予告した女性が自殺してしまいます。
※本人もそうすると言っていた。

主人公はよくあるおどしだと言い、気にも留めていなかった。

自殺者が出たと上司から言われても兆候は無かったと、完全に忘れている様子。
これちょっとあんまりなんじゃないかと。

女子社員は辞めちゃうのですが、彼は変わらずにまた、空を飛び続けるのですが……。
結局彼の人生って何なんでしょう。
マイレージは貯まりました。
確かに。
でも、それだけなのか?
本人が納得してすっきりしてそうだからいいのかな……。

リストラされた人にも家族はいて、家族がいたから耐えられた、というインタビュー風の場面が続いた後のラストシーン。

主人公には家族も無く、孤独なように見えますが、それを特に不満に思う風でも無い。
リストラ役はずっと空を飛び続け、家族で安らぐ必要は無い、という事なのかな……。
すげぇストイックな主人公だ……。