湯遊茶々 弐

申し込むだけ申し込んでほったらかしでした……。

結局ごまかしにすぎないのか……

モチベーションが保ったのは1日だけでした。
月曜日は練習の無い日で、整骨院へ行ってからお家にゴールのある同級生の家でシュート練習をさせてもらって、そのまま遊んで来ましたが、帰宅してから、いつになったら辞められる?

……と。

団の練習は無かったので、指導者が怖いというのとは別の話のはずです。

よくよく話すと、皆に馬鹿にされているような気がすると言い出しました。

後から始めた同級生、一学年下でも既にベストメンバーになっている下級生、どんどん上手になっている下級生に馬鹿にされているような気がすると。

うーん、それはダメだ。
上手くならないからを理由に辞めるには、まだ一ヶ月ですよ、復帰して。
そんなすぐに上手には成らないし、下手な事を知った上でどう伸ばすかというのはバスケットボールに限った話ではないです。
今辞めたら、何をするにもちょっと手を出してすぐにものにならなかったら辞めてしまうって事になっちゃうじゃないですか。

ケガは仕方ないにしても、その後思うようにできないから、という思考の癖をつけるのはよくないです。

そもそも、馬鹿にされている気がするというのは、自分がそうやって下の子達を馬鹿にしてたんじゃないの?

と、言ってしまいました。

基本的に、人は人の事なんてどうでもいいはずです。
自分が上手になりたいという気持ちはあっても、誰かよりは上手だから、という考え方をしていると、追い抜かれた時にやる気を無くしてしまいます。
ちゃんと自分で負けを認めて、自分と向き合っていくしかないんです。

もし誰かが自分を馬鹿にしていると思っているのなら、それは別の誰かでは無くて自分の中にいる誰かがそう言っているんだよと。

実際、そういう様子は私から見てもあるので、他の子達が娘をなんとなく軽んじているところはあるのでしょう。
でもそこは乗り越えないと。

私の方もぶっちゃけてしまいました。

五年生で後戻りはできないよ、悪いけどと。

去年だったらまだ引き返せた。
でも今辞めるのは無責任だから。

来年度の新体制、確かに私たち親子が抜けても問題は無いのです。
でもその場合、何の迷惑もかけずに抜けるという事は多分できません。
一番迷惑をかけるのはもう一人の五年生親子です。

一緒にがんばるから、六年生まで、卒業までやり抜こう。

もう引き返せないし、ごまかしもできない。
やれる事を全力でやるしかないのです。

我慢を強いる事はしたくなかったのですが、やりきらなくてはならない事はあるのです。

そのかわり、嫌な事があったら何でも話して欲しいと言いました。
こんな事を言われて、どう嫌だったか、我慢しなくていいからと。
耐えられない事は変えなくては。変わるのは自分達の考え方かもしれないし、要望をあげる事かもしれません。

『続ける』ために、『やり抜く』ために。